性格分析のグラフで、A(きびしい親)が不自然に低い方がいます。

  「本当に低いのでしょうか?」とお尋ねすると、「いえ、本当は高いのです」とはっきり答えられる方は、解決しやすいものです。問題なのは、自分でもAが低いと思いこんでいる方です。

  Aの特徴は、緊張です。Aは、人の欠点を見る能力ですから、人が敵に見えます。Aの人にとって、人の中にいるというのは、敵の中にいるということですから、緊張します。対人関係で緊張を感じる人は、性格分析のグラフで、いかにAが低くても、本当はAが高い人です。

  Aが高いと攻撃したり警戒したりしますので、人間関係が悪化します。人間関係が悪化することは、E(自己防衛本能)の高い人にとっては、大変な不安です。それは、つらくて苦しいので、Aを下げて、B(やさしい親)を高めます。

  本当は、Aが高いのに、自己防衛のために Aをさげている、特に長年にわたってそうしてきているために、無意識になっている場合が大問題です。本人は、Aが低く、Bが高いと信じています。これを「内なるA」と呼んでいます。

  Aが高い場合は、人の欠点が見えます。人は、自分の中にあるものしか見えませんので、人も自分の欠点を見ていると感じます。人の視線を感じて苦しみます。

  しかし、人の欠点が見える以上、相手は敵です。敵に対しては警戒します。口に出すかどうかは別として、攻撃もします。長期的な目で見ると、警戒や攻撃だけでは自滅のシナリオになるのですが、短期的にはなんとか自己防衛はできるということになります。

  しかし、Aがありながら、自分はBの人であると信じている場合は、本当に苦しくなります。実際はAがあるのですから、人が自分を批判しているように感じます。不安が押し寄せてきます。批判的な人の視線が、機関銃の弾や矢が飛んでくるような感じがします。人の目が自分を刺すように感じます。

  しかも、それに対して、Bで反応するのですから、自己防衛できません。対応がBですので、相手を善人と見なければなりません。見なければというよりも無意識に善人と見て、善意、好意を持って対応しようとします。無警戒で優しく接しようとします。これでは打たれるばかりで、可哀相すぎます。

  「腹が立つ。無神経な人間だ。さっさと死ねばよいのに!」、実際に殺せば勿論問題ですが、心の中で一度や二度、そのように思ったことがあったとしても決して異常ではないでしょう。一度もそのように思ったことが無いという方のほうが異常でしょう。

  人間は、決して出来の良い存在ではありません。人間の過去の歴史は、殺人の歴史です。人間の最大の敵は人間でした。現在でも世界の各地で戦争をしています。その過去から私たちの性格はメッセージを受け継いで出来ています。

 

  私たちのA、B、C、D、Eは、そのようなもので出来上がっています。特に、日本は、「村八分型集団意識」の国ですから、日本人はAが高いのが普通です。

  だから、Aがないはずはないのですが、無意識にAを抹殺していますから、自己防衛ができません。ただただ攻撃され、抵抗できずに倒れるだけとなります。疲労感が強くなり、無気力となり、身体が動きません。

  原因が分からないので、自分ではどうして良いか分かりません。学校にも、職場にも行けなくなります。本人は原因に気が付きませんから、がんばろう、がんばろうとします。しかし、すればするほど逆効果です。エネルギーを消耗して行くだけになります。

  Bだけの人であれば、人の長所しか見えませんから、人も自分の長所を見てくれているという気持ちがします。人は善人です。当然、だまされ放しになるのですが、本人はだまされたということすら気が付きません。人の中にいるのは楽しいことで、疲れることはありません。

  Aを持つことは疲れることです。しかし、Aも素晴らしい能力です。必要な能力です。まず、「内なるA」に気づきましょう。そして、Aも必要な能力だということを理解して、自分のAを決して責めないでください。

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